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Q.婚姻費用はいつからもらえるか?

  • 婚姻費用

 婚姻費用とは、「夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する。」との民法760条に基づく生活費です。収入の多い方は、収入の少ない方へ、たとえ別居中であったも一定の婚姻費用を支払う義務があります。
 婚姻費用の額は、双方の収入、子供の年齢・人数を算定表にあてはめて計算します。例えば、年収400万円の夫が年収100万円の妻と5歳の子供一人に対し負担する婚姻費用は、月額7万1000円です。

 ※婚姻費用の算定表は裁判所のホームページで公開されています。また、東京弁護士会のアプリ「べんとら」でも計算できます。

 では、婚姻費用は、いつから請求できるのでしょうか?

 この点については、①要扶養状態発生時、②別居時、③婚姻費用の請求時、④婚姻費用を請求する調停申立時等の見解があります。これらの見解のうち、③婚姻費用の請求時以降とするのが多数説です。もっとも、実際には、神戸家庭裁判所・大阪家庭裁判所等の運用では、④調停申立時と考えている調停員が多い印象です。

 したがって、婚姻費用をきちんと受け取るためには、別居開始後、できるだけ早く、内容証明郵便等証拠の残る形で婚姻費用を請求して、婚姻費用分担請求調停の申立てをすることが大切です。