- 遺言相続
Q.相続人が行方不明や認知症の場合の遺産分割協議?
遺産分割協議は相続人全員で行う必要があります。
では、相続人が何年も行方不明の場合や、認知症で施設に入所している場合には、遺産分割協議はどのように進めればいいでしょうか。
①相続人が行方不明の場合
1つ目の手段は、行方不明の相続人について、失踪宣告申立てをすることです(民法30条)。失踪宣告は、生死が7年間明らかでないこと等を理由に、生死不明の者を死亡したとみなす制度です。失踪宣告により、その行方不明の相続人は亡くなったとみなされますので、当該相続人が亡くなったとみなして、遺産分割協議をすることができます。
(失踪宣告の手続きの詳細は、裁判所のサイトを参照ください。)
2つ目の手段は、行方不明の相続人について、不在者財産管理人選任の申立てをすることです(民法25条)。不在者財産管理人は、行方不明の相続人の財産を管理する権限があります。不在者財産管理人が裁判所によって選任された場合には、遺産分割協議は、行方不明の相続人の不在者財産管理人との間ですることになります。
(不在者財産管理人選任申立ての手続きの詳細は、裁判所のサイトを参照ください。)
②相続人が認知症の場合
認知症の程度が、遺産分割協議の内容を自ら理解し、判断することができない程度であれば、その相続人について成年後見申立てをすることが必要になります(民法7条)。遺産分割協議は、当該相続人の成年後見人と行うことになります。
(成年後見申立ての手続きの詳細は、裁判所のサイトを参照ください。)
このように、遺産分割協議に、思いがけず様々な手続きが必要になることがありますので、相続発生後長期間、遺産分割協議をしないままにしておくことはお勧めできません。